紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
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  <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 三重県伊勢市船江 船江上社の大クス

 三重県伊勢市船江は、伊勢市河崎に近い場所にある。伊勢市河崎の河邊七種神社には大きなクスが2本祀られていることは既に紹介した。筆者は、暑い日差しの中を、伊勢市駅から海岸に向かって歩いていた。というのは、以前、渡辺守先生の講演会で、大湊町の宮川浄水場のヨシ原に絶滅危惧種のヒヌマイトトンボが生息していて保護されていることを聞いていたので、写真を撮ろうと思いやってきたのだ。筆者は、昨年から「ため池のトンボ」の写真を撮り始め、すっかりトンボ愛好者になってしまっている。

 河崎の街を過ぎてすぐの、八間道路と呼ばれる海岸へ向かう幹線道路の裏手に、ひっそりと船江上社(かみのやしろ)という神社がある。鳥居のところから鬱蒼とした鎮守の木立が見える。境内には、ご神木であることを示すしめ縄を着けた大クスがそびえていた。

 めざしていたヒヌマイトトンボの観察はできなかったが、道すがら見た稲刈り後の用水路にはどこにでもメダカがいたのには驚いた。やや幅の広い両側コンクリートの用水路には、数m歩くたびにメダカの群れが泳いでいて、「メダカの学校」の唱歌を思い出した。他の小魚の魚影もあり、このあたりは、かつての農村の自然が残っているようであった。、ヒヌマイトトンボに会えなかったが、たくさんのメダカに会え、巨木も偶然見つけることができ、良い旅であった。
 
(写真をクリックすると拡大します)
伊勢市船江の船江上社の祭神と由来を書いた案内板を読み、鳥居をくぐって境内に入る。
境内に入ると、一目で大木の存在が目に入る。右手に主枝が出ている方向が、幹の幅が広い。
大クスの前に、このクスについての説明書きがあり、「招福楠」として町民の信仰を集めてきたそうであり、1339年に神皇正統紀が北畠親房によって発表されたのを記念して植樹されたとの言い伝えが記されている。一見して、河邉七種神社の大クス(幹回り5.8m)と同じくらいの太さかなと思ったが、説明書きを読むと周囲9.5mとあり、目分量では分らないものだと思った。
大クスの幹の上部の枝振り。どの枝も勢いがあり逞しい。 

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